独Rostock大のKlaus Wutzke教授らのグループは、L-カルニチン酒石酸塩を摂取すると脂肪酸の燃焼が促進されることをヒトで実験的に確認した。
2002年に独Leipzig大のD.M.Muller教授らも同様の実験を行って効果を確認しているが、その際に試験に使われたのは純粋なL-カルニチンだった。一方、今回の実験で使われたのは酒石酸塩で、Lonza社(スイス)が主力商品として世界販売している商品と同じ化学形態である。 Wutzke教授らは、炭素の安定同位体13Cを使ってラベルした脂肪酸をボランティア被験者に摂取させた後、それぞれの被験者についてカルニチン酒石酸塩を摂取させた場合と摂取させなかった場合の2つの条件で、呼気中のCO2中に含まれる13Cの濃度を測定した。被験者数は12人。 実験の結果、カルニチンを摂取した場合には、呼気中から13Cが高い濃度で検出されることが確認された。カルニチン摂取14時間後には呼気中のCO2全体に対して、13Cを含むCO2の割合は19.3%となった。カルニチンを摂取していなかった場合の15.8%に対して22%増となった。今後、ロンザジャパンはやはり酒石酸塩をつかって、日本人を対象とした試験を行うことも検討している。 厚生労働省が2003年に食薬区分を改定。それまで医薬品としての使用しか認められなかったL-カルニチンが食品素材として使用できるようになった。 ロンザジャパンのカルニチンは、昨年7月の発売以来、ファンケルの健康食品「パーフェクトスリム」、ニチレイのタブレット「gootDiet!タブレット」、日清ファルマのドリンク「ルクヤン キューテンドリンク」「シェイプナビプラス」、アサヒ飲料の飲料「アサヒアミノダイエット」、宝酒造の飲料「ダズベリーダイエット燃焼サポート」などに採用されている。
by saru3toru
| 2004-09-01 09:00
| 科学情報
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