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腸管内の微生物叢の変化がアレルギーのリスクに

 米ミシガン大学の研究によると、消化管(腸管)内の細菌および真菌による微生物叢が変化して免疫系の寛容と感作のバランスが崩れると、肺に吸入された一般的なアレルゲンに対する免疫系の反応が強まって慢性的な喘息やアレルギーの発症リスクが増加する可能性が示唆された。
 一般的には、免疫寛容は肺で生じると考えられているが、マウスを用いた先ごろの研究では、消化管内の免疫細胞が飲み込まれたアレルゲンに接触すると、その相互作用が誘因となって制御性T細胞が生じ、それが肺に移動して免疫寛容を引き起こすことが判明した。

 研究者で内科学、微生物学、免疫学准教授のGary Huffnagle氏は、肺が繰り返しアレルゲンに曝露すると、免疫系応答を調節する制御性T細胞が、そのようなアレルゲンを見逃しても安全なものと認識するようになる、と述べている。

 研究は、感染および免疫関連医学誌「Infection and Immunity」1月号に掲載されている。
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by saru3toru | 2004-12-23 18:59 | 科学情報

ICGSC、ニワトリの野生種の全ゲノム解読に成功

 International Chicken Genome Sequence Consortium(ICGSI)は、ニワトリの野生種であるGallus gallusの全ゲノム解読に成功、Nature誌2004年12月9日号とGenome Research誌Online版で発表した。鳥類で全ゲノム解読が終了したのは、これが始めてだ。進化の謎を解く鍵となる他、養鶏業の技術革新にもつながる基盤となるだろう。
 ニワトリが属する鳥類は、ヒトなどの哺乳類と3億1000万年前に分岐して進化した。現在まで解明されたゲノムとしては、恒温動物で最もヒトから進化的に離れた動物のゲノムだ。78個の染色体から構成されるニワトリ・ゲノムの大きさは10億塩基、ヒトの3分の1に過ぎない。ヒト・ゲノムの約50%を占める繰り返し配列の割合が、ニワトリでは15%に過ぎないことが、小さいゲノム・サイズの第一の理由だ。
 ヒトとニワトリには全く共通のゲノム配列(時には、7000万塩基もの長い配列が類似)が、ゲノム上に分散して存在していた。たんぱく質をコーディングしている遺伝子の約60%がヒトとニワトリでは共通だった。詳細に遺伝子を比較したところ、ニワトリでは哺乳類から進化的に分岐した後、多数の遺伝子を失うことによって、進化したことが裏付けられた。進化は必ずしも、遺伝子が増えることが原動力となるとは限らない有力な証拠だ。但し、現在のところ、たんぱく質に読み取られない非コーディング領域の機能や研究も進んでおらず、鳥類の進化がゲノム配列を失うことによって、何故、環境に適応して進化(つまり、飛べるようになったのか)は謎のままである。あ
 ICGSCは、全世界49機関に所属する170人の研究者が参加した組織。米国国立衛生研究所が1300万ドルを助成し、米国Washington大学(St. Louis)のGenome Sequence Centerが塩基配列の解読を行った。
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by saru3toru | 2004-12-09 22:51 | 科学情報