カテゴリ:科学情報( 38 )

猿人:600万年前に二足歩行 骨のCT分析で判明

 約600万年前にいた人類の祖先の猿人は、すでに二足歩行していたことがコンピューター断層撮影(CT)による骨の化石の分析で判明したと、米仏の共同研究チームが3日付の米科学誌「サイエンス」に発表した。これまで確実に二足歩行をしていたと考えられているのは約400万年前の猿人で、人類の最大の特徴である二足歩行の歴史が一気に200万年もさかのぼることになり、人類史研究に大きな影響を及ぼしそうだ。

 600万年前の猿人は「オロリン・ツゲネンシス」と呼ばれ、2000年にケニア北西部で化石が発掘された。大たい骨がほぼ無傷で残っており、発掘当時から、外見的な特徴に基づき「二足歩行していたのではないか」と推定されていた。

 研究グループは、股関節につながる大たい骨のくびれた部分の内部構造をCTで詳しく調べた。その結果、骨の表層部が上側だけ薄くなっていることが分かった。これは樹上生活するチンパンジーなどとは異なり、直立二足歩行する人類と同じ構造だった。骨のほかの部分の形状も、類人猿よりは人類に近かった。

 研究グループは「分析結果は二足歩行の直接証拠を示している」と述べている。

 これまで、二足歩行が確実とされる最古の猿人は約400万年前にアフリカにいた「アウストラロピテクス・アナメンシス」だった。約600万年前は人類と類人猿が分岐した初期の時期と考えられている。
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by saru3toru | 2004-09-03 10:21 | 科学情報

「失読症」、英語圏と漢字圏で原因部位に差

b0013356_1003471.jpg 脳卒中などで文字が読めなくなる「失読症」は、アルファベットを使う西洋人と漢字を使う中国人や日本人では、脳の損傷部位が違うことが、香港大の研究で分かった。

 文化に合わせた治療法の必要性を示した結果で、2日付の英科学誌ネイチャーに発表された。

 欧米を中心としたこれまでの研究では、失読症の人は、文字のつづりを音の固まりに分ける過程に障害があり、左脳の「頭頂葉」や「側頭葉」などでの神経活動の低さが原因と考えられてきた。しかし、香港大のリ・ハイ・タン助教授らが、先天的に失読症である中国人の子ども8人の脳を、磁気共鳴画像装置を使って調べたところ、左脳の「中前頭回」という西洋人とは別の部位の活動性が低いなど、これまでの実験結果とは大きく異なることが分かった。
 左の図の中で、中国語、英語の理解にはそれぞれ赤い部分、緑の部分が使われ、失読症の中国人では青い部分の働きが特に活発になっているということである。

 文字自体は意味を持たない表音文字のアルファベットを使う言語と、表意文字の漢字では、脳での読み方の仕組みが異なるらしい。研究チームは「理という漢字のなかに読み方を表す里が入っているなど、漢字の読み書きの仕組みは英語などとは大きく違う。文化に即した治療法の開発などにつながるのではないか」としている。
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by saru3toru | 2004-09-03 10:07 | 科学情報

Darwin's finchesとBMP4

b0013356_9364165.jpg ダーウィンのフィンチは、生態的地位への適応により新しい動物種が生まれることの好例としてあげられているが、発生生物学者はそこに新しい展開をもたらした。

 チャールズ・ダーウィンは1835年にガラパゴス諸島を旅した際に、そこでは鳥の嘴のサイズや形に多くの変異があり、それが植物の種を砕いたり、果汁を飲んだりという特殊な仕事に適応した結果であると考え、適応により動物は進化するという考えを「種の起源」に記した。

 Harvard Medical Schoolの発生生物学者であるClifford Tabinは、太くて短い嘴を持つフィンチ3種と、細長い嘴を持つフィンチ3種の卵を用いて、発生に伴う遺伝子発現変動を、細胞増殖因子10種について調べた。その結果、Bone morphogenic protein 4 (BMP4)という増殖因子のみがそれら3種ずつで発現に大きな違いがあることが明らかになった。嘴の太いフィンチは、BMP4の発現が顕著であったが、3種のなかでも発現のパタンには違いがあるらしい。この結果はサイエンス9月3日号に発表された

 また同じ号のサイエンスに、University of Southern California の進化発生生物学者であるCheng-Ming Chuongは、ニワトリの嘴の形がBMP4の発現のタイミングや発現部位の違いにより左右されることを報告している。

これらの結果は、適応による生物の形態の変化の研究に新しい道筋を与えるものである。
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by saru3toru | 2004-09-03 09:37 | 科学情報

高血圧治療薬の投与、心不全患者に有効 武田薬品が発表

 高血圧症の治療薬として使われている「カンデサルタン・シレキセチル」(商品名「ブロプレス」など)について、武田薬品工業は31日、心機能が低下した慢性心不全患者にも有効なことがわかったと発表した。欧米25カ国の患者約4600人に投与したところ、死亡率が12%下がったという。投与によって心不全が悪化して入院する人も減少した。

 臨床試験は99年から3年余りにわたり、慢性心不全の患者約7600人を対象に、この薬を使ったグループとそうでないグループで死亡率や入院率を調査。そのうち、左心室から血液を送り出す能力が健康な人の60%程度以下に低下した患者約4600人を分析した。心不全の悪化で入院するリスクも24%改善した。

 同社の説明では、全世界の人口の1~2%が慢性心不全になっているとみられる。8%が心不全とされる75歳以上の入院1年後の死亡率は30%を超えるという。

 「ブロプレス」は、アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有する血圧低下剤として広く使われている。03年度の国内の売り上げは927億円で、同社によると、金額では国内で販売されている薬の中で3番目という。同社は、慢性心不全の治療にも使えるように厚生労働省に効能の追加を申請している。
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by saru3toru | 2004-09-01 15:21 | 科学情報

独Rostock大、L-カルニチンの脂肪燃焼促進効果を確認

 独Rostock大のKlaus Wutzke教授らのグループは、L-カルニチン酒石酸塩を摂取すると脂肪酸の燃焼が促進されることをヒトで実験的に確認した。
 2002年に独Leipzig大のD.M.Muller教授らも同様の実験を行って効果を確認しているが、その際に試験に使われたのは純粋なL-カルニチンだった。一方、今回の実験で使われたのは酒石酸塩で、Lonza社(スイス)が主力商品として世界販売している商品と同じ化学形態である。

 Wutzke教授らは、炭素の安定同位体13Cを使ってラベルした脂肪酸をボランティア被験者に摂取させた後、それぞれの被験者についてカルニチン酒石酸塩を摂取させた場合と摂取させなかった場合の2つの条件で、呼気中のCO2中に含まれる13Cの濃度を測定した。被験者数は12人。

 実験の結果、カルニチンを摂取した場合には、呼気中から13Cが高い濃度で検出されることが確認された。カルニチン摂取14時間後には呼気中のCO2全体に対して、13Cを含むCO2の割合は19.3%となった。カルニチンを摂取していなかった場合の15.8%に対して22%増となった。今後、ロンザジャパンはやはり酒石酸塩をつかって、日本人を対象とした試験を行うことも検討している。

 厚生労働省が2003年に食薬区分を改定。それまで医薬品としての使用しか認められなかったL-カルニチンが食品素材として使用できるようになった。
 ロンザジャパンのカルニチンは、昨年7月の発売以来、ファンケルの健康食品「パーフェクトスリム」、ニチレイのタブレット「gootDiet!タブレット」、日清ファルマのドリンク「ルクヤン キューテンドリンク」「シェイプナビプラス」、アサヒ飲料の飲料「アサヒアミノダイエット」、宝酒造の飲料「ダズベリーダイエット燃焼サポート」などに採用されている。
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by saru3toru | 2004-09-01 09:00 | 科学情報

心臓発作は九つの要因で予測できる

 世界規模の研究により、ほとんどの心臓発作は住んでいる地域や人種によらず、簡単に測定できる九つの因子により予測できるということが報告された。
 今回の結果は心臓発作がこれまで想像されていた以上の確率で予測できることを示したという点で画期的な結果である。全世界で年間に1千万人以上が心疾患が原因で死亡しているが、危険因子を減らすことにより予防が可能で、心疾患の発生数を大きく減少させることのできる可能性が示された。

 カナダの研究者らが中心となったINTERHEARTという今回の研究は、52ヶ国、二万九千人を対象にしたものであるが、その結果がドイツ、ミュンヘンで開催されたヨーロッパ心臓学会で報告された。また2004年9月11日号のThe Lancetに論文が掲載される。
 特に重要な二つの危険因子は、喫煙と、脂質バランス(apo B/apo A-1)の異常であり、この二つで心臓発作のリスクの三分の二を予測できるということである。またその他の危険因子は、高血圧糖尿病腹部肥満ストレス野菜と果物の不足運動不足であるが、逆に毎日の少量のアルコール摂取は予防因子となる。全世界の90パーセントの心臓発作がこの九つの因子の有無で予測できるらしい。
 禁煙、正しい食物の摂取、運動などはすぐにでも改善できることであり、それだけでもかなりのリスクを回避できることになるはずである。
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by saru3toru | 2004-08-30 12:03 | 科学情報

小児の18%に耐性ウイルス=抗インフルエンザ薬タミフル

 抗インフルエンザ薬タミフル(リン酸オセルタミビル)を使用した小児患者の18%から、同剤に耐性を持つウイルスが検出されたことが、東大医科学研究所などの研究で分かった。論文は28日付の英科学誌ランセットに掲載される。
 タミフルは耐性ウイルスが出にくいとされ、厚生労働省は新型インフルエンザに備え2500万人分を確保する方針を決めている。同研究所の河岡義裕教授は「インフルエンザにかかったことのない子供は免疫がないためウイルスが増えやすく、耐性が出やすい。新型はだれも免疫がないので大人でも同じ。よく監視し耐性ウイルスが出たか確認しながら使う必要がある」としている。 
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by saru3toru | 2004-08-27 10:34 | 科学情報

クレアチンの抗疲労効果を証明、慢性疲労症候群に応用へ

 米Temple大学は、8月23日、クレアチンの経口摂取により、ヒト筋肉内のミトコンドリアの呼吸が活性化されることをin vivoで示したと発表した。慢性疲労性症候群(CFS)の研究に取り組んできた研究者たちは、今回の発見が、CSFに対する治療法開発に結びつく可能性があると期待している。詳細は、Applied Physiology誌6月号に報告された。
 クレアチンは、薬局で購入できる一般的なサプリメントとして、多くのスポーツ選手に利用されている。摂取により、筋量を増し運動能力を高めることができると考えられている。論文の筆頭著者で、同大学で作業療法の助教授を務めるSinclair Smith氏らは、クレアチンが、CSF患者に見られる、極度の肉体的および精神的疲労の緩和にも役立つのではないかと考えた。

 今回、同大学と、米陸軍環境医学研究所、米国Brigham and Women’s Hospital、米Harvard大学医学部、米Boston大学、米Sargent健康・リハビリ科学大学の研究者たちは、16人の成人男女に、クレアチンまたは偽薬を経口投与し、運動時と休息時の筋肉における呼吸代謝の速度の変化をMRI技術を用いて評価した。先の実験では、動物とヒトの筋標本を用いて、同様の作用が調べられたが、今回初めて、ヒト体内でこれを評価することに成功した。
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by saru3toru | 2004-08-27 10:12 | 科学情報

善玉コレステロールを悪玉に変える酵素が心疾患に関与

 高密度リポ蛋白質(HDL)はコレステロールの中でも善玉コレステロールと言われ、HDLが血中に多くあるほうが動脈硬化になりにくいとされているが、実は心血管疾患(CVD)を発症している患者ではHDLの半分ほどが、ある酵素により修飾を受け、善玉コレステロールとしての機能を失っていることが明らかになった。

 Cleveland ClinicのStanley Hazenらは昨年、CVDを予測するマーカーとしてこれまでに使われているどんなマーカーよりすぐれたマーカーとして、ミエロパーオキシダーゼ(MPO)という酵素とMPOにより生じるニトロチロシン化された蛋白質を見出している。
 今回、彼らはMPOにより特に修飾を受け易い蛋白質を探索した結果、HDLの主要蛋白質であるアポリポ蛋白質A-1(apoA-1)が、MPOによりニトロ化、クロル化を受け易いことを発見した。彼らはさらに90人の患者血清中のapoA-1の修飾を調査し、高度に修飾されたapoA-1はCVDを発症した患者に16倍も高い確率で存在することを見出した。
 また、修飾を受けたHDLは、本来の善玉コレステロールとしての役割である動脈硬化部位からのコレステロールの引き抜きという活性を失っているということである。
 今回の発見は、HDLが高くても必ずしもCVDを発症しにくいわけでないということを説明するものであり、MPOによるHDLの修飾を阻害する薬剤は、動脈硬化、CVDの発症を抑制することが期待される。

Original paper
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by saru3toru | 2004-08-27 10:03 | 科学情報

双日ジーエムシー、動脈硬化測定装置を販売

 双日子会社で生活用品などを販売する双日ジーエムシー(東京・港、筒井和彦社長)は25日、医療機器メーカーのオサチ(長野県岡谷市、小松勝社長)が開発した動脈硬化測定装置の販売を始めると発表した。9月から一般家庭向けに通信販売で売り出す。双日ジーエムシーは健康関連商品の取り扱いを増やしており今回もその一環。
 販売する「バイタルビジョン」は血圧や心拍数の測定と同時に、動脈血管の硬化度も測れる装置。脈波のパターンから血管の硬化度を推定する仕組みで、硬さの度合いを4段階で表示し、過去30回分の測定値を記録できる。

 動脈硬化は心筋こうそくや脳卒中などにつながる可能性があり早期発見が重要とされる。双日は家庭で手軽に測定できる装置の需要は大きいとみて拡販に乗り出す。9月にカタログハウス(東京・渋谷)が発売する通販雑誌「通販生活」に掲載して売り出す。価格は3万1290円。初年度1万台の販売を目指す。
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by saru3toru | 2004-08-26 10:27 | 科学情報