カテゴリ:科学情報( 38 )

低炭水化物食が内臓脂肪を減少させる

内臓脂肪の蓄積は、メタボリックシンドロームと呼ばれる症状を引き起こし、糖尿病、動脈硬化の原因となる。運動をすることとダイエットが最も大事な治療方法であるが、炭水化物を極度に減らしたダイエットが、内臓脂肪の減少に有効であることが明らかにされた。フリージャーナルである"Nutrition & Metabolism"に紹介されている。
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by saru3toru | 2004-11-16 07:19 | 科学情報

今度はニワトリ・コレラ

 ユタ州にあるGreat Salt Lakeで、約3万羽のハジロカイツブリが家禽コレラに感染して死んだ。米地質調査所(USGS)全米野生動物健康センターの研究者たちは、11月12日、冬期に南に渡る鳥たちによって、家禽コレラが米国に広まるのではないかという懸念を発表した。
 11月の第1週に、USGSの研究者たちは、ハジロカイツブリの死体から、家禽これらの病原菌であるPasteurella multocidaを分離した。現在USGSは、ユタ州の生物学者と共に、情勢を監視している。
 USGSの研究者で家禽コレラが専門のMike Samuel氏は「1998年以来、北米では、家禽コレラの大規模な流行はなかった。現時点では、この大量死が単発の事件なのか、定期的な流行の始まりなのかを判断できない。が、水鳥は感染拡大の主役であることから、われわれは、カイツブリや他の鳥が、越冬地に移動することによって、この病気がGreat Salt Lakeをから南に広まる可能性を考えねばならない」と述べた。
 家禽コレラは、水鳥の感染症としては、北米で最も一般的だ。ひとたび感染すれば、その個体は6時間から12時間という短時間で死亡するが、病原菌は、死んだ鳥や死にかけの鳥から健康な水鳥に感染してゆく。結果として、数千から数万羽の水鳥が瞬く間に死んでしまう。
流行期は主に冬と春先だ。この時期、水鳥たちは越冬地などで密な集団を形成しており、密度の高さと冬の寒さからストレスを感じている可能性がある。こうした状況が、流行のきっかけを作り、また伝染を容易にすると考えられている。Pasteurella multocidaは、ヒトにとっては大きな脅威ではない。しかし鳥では、品種を越えた感染が容易に起こる。
 家禽コレラは、40年代にニワトリを介して北米に持ち込まれ、その後、野鳥に感染していった。当時、流行はほぼ全米に広がった。ここ10-15年の間、北米の特定地域(カナダのサウスサスカチェワン川と、米国のカリフォルニア州やテキサス州、ネブラスカ州の一部、ミズーリ川流域など)ではほぼ毎年、流行が見られている。 
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by saru3toru | 2004-11-16 07:10 | 科学情報

ヒトの遺伝子ハエと同じ2万2000個 

 ヒトゲノム(人の遺伝情報全体)を詳しく解析した結果、たんぱく質を作る設計図である遺伝子の総数が約2万2000個であることが判明した。従来、約3万2000個と予測されていたのが、大幅に減った。ショウジョウバエと同じぐらいの遺伝子数になる。理化学研究所や慶応大を含む日米英仏独中の国際研究グループが21日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 ヒトゲノムの概要版などを基にした従来の予測は、実際にたんぱく質が確認されるなどした遺伝子数約1万5000個に、他の生物との類似性などからコンピューターが予測した数約1万7000個を合算していた。

 その後、ゲノム情報の正確さが向上。遺伝子研究が進んで約2万個が既知となり、コンピューター予測分も確実な約2000個に絞り込んだ。2個と数えられていた遺伝子が1個と判明した例や、遺伝子に似ているが、たんぱく質を作らない偽遺伝子だった例もあった。

 最近の研究でショウジョウバエの遺伝子数は約2万個とされ、数の上で人とあまり違わないことになる。
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by saru3toru | 2004-10-21 06:45 | 科学情報

世界の両生類の3割、絶滅の危機 

 カエルやイモリなど世界の両生類5743種のうち、約32%に当たる1856種が絶滅の危機に直面していることがわかった。国際自然保護連合(IUCN)などが研究者約500人の協力を得て調査した。14日付米科学誌サイエンス電子版b0013356_9264150.jpgb0013356_9265510.jpgで発表される。

 絶滅の危機にある種の比率は、鳥類の12%(1211種)や哺乳(ほにゅう)類の23%(1130種)に比べて高かった。うちニュージーランドのムカシガエルの仲間など427種(7.4%)は、IUCNの基準の「とくに危機的な状況にある」に分類され、この比率も鳥類(1.8%)や哺乳類(3.8%)より高かった。

 また、2468種の両生類は生息数が減っていた。特に435種は1980年以来、急激に減少していた。減少の原因が捕獲過多のものはメキシコのサンショウウオなど50種、生息地が開発などでなくなったのは183種、残りは気候変動や病気が原因かもしれないという。北回帰線より南にある熱帯地域の低山帯の川周辺にすむ両生類で、危機にある種が多かった。

 IUCNは国や政府機関などが作る組織。これまで鳥類や哺乳類は網羅的に生態調査が行われていたが、両生類は1割以下の種についてしか調べられていなかった。
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by saru3toru | 2004-10-15 07:22 | 科学情報

食欲抑える脳内物質が新たに確認された

 食欲を抑えて肥満を防ぐ役割を果たす物質が新たにわかった。この物質を体内で作れなくなったマウスは、餌を食べ過ぎて体重が大幅に増えてしまう。人間も同じ物質を持っており、肥満の解明や治療薬の開発につながる成果という。久留米大分子生命科学研究所の児島将康教授、花田礼子助手らがネイチャー・メディシンに発表した。

 この物質はニューロメジンU(NMU)と呼ばれ、アミノ酸が連なったペプチドの一種。

 NMUを作らないように遺伝子操作したマウスで実験したところ、生後32週の時点で正常なマウスに比べて平均体重が35%も重くなった。体の脂肪の割合も、正常で20%だったのが、52%に増えていた。餌を食べる量は正常より33%多く、血糖値や総コレステロール値も高くなり、人の生活習慣病に似た状態だった。

 肥満抑制物質としては約10年前に米国の研究者が見つけたレプチンが有名。やはり、食欲を抑える働きがある。京都大が糖尿病患者にレプチンを使う臨床研究をするなど世界中で研究が進んでいるが、レプチンが効きにくい患者もいて、実用化にはつながっていない。

 レプチンが脂肪細胞から分泌されるのに対し、NMUは脳内で働く神経ペプチドで、レプチンとは独立して作用する物質と考えられる。このため、レプチンとは別の治療法の開発に結びつく可能性があるという。
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by saru3toru | 2004-09-27 09:05 | 科学情報

蚊の幼虫の駆除に有用な標的蛋白質SCP-2を発見

 米国Wisconsin-Madison大学は、9月10日、マラリア、デング熱、ある種の脳炎、黄熱病、西ナイル熱などを媒介する蚊を駆除するための、新たな、より標的を定めた方法の開発において非常に有望な標的蛋白質、SCP-2を発見したと発表した
 通常、蚊の駆除には殺虫剤が用いられるが、殺虫剤は環境の他の生物にも害を与える可能性がある。蚊に特異的な殺虫法を捜していた、同大学の昆虫生理学者Que Lan氏らは、蚊のコレステロール代謝の特異性に注目した。コレステロールは、脊椎動物と非脊椎動物の細胞膜を構成する重要な成分だ。蚊は、発生、成長、卵形成にこれを必要とするが、ヒトとは異なり、コレステロール合成系を持たない。浅い水中で生活する幼虫期に、腐った植物を食べてフィトステロールを摂取する。フィトステロールは、蚊の腸でコレステロールに換わる。この過程を阻止すれば、ボウフラは死ぬはずだ。
 研究者たちは、ネッタイシマカ(Aedes asgypti)を用いて、コレステロールを蚊の細胞に運ぶために必須の蛋白質AeSCP-2を発見した。AeSCP-2は、ステロール運搬蛋白質で、疎水性のコレステロールを血液や細胞液などの液体中を運ぶ際にシールドとして機能する。この蛋白質の作用を阻害する蛋白質を捜すために、氏らは16000の化合物をスクリーニングし、SCP-2のコレステロール結合能力を阻害できる化合物を57個選出した。上位5つの化合物を蚊の幼虫に用いたところ、いずれも幼虫を殺すことができた。効果は用量に依存し、使用濃度が高ければより多くの幼虫が死んだ。が、その濃度は最高でも10ppmだった。氏らは現在、SCP-2阻害化合物の、多様な昆虫や脊椎動物に対する作用を調べている。マウスの細胞を対象とした場合には、5つの化合物のうち3つは無毒で、残りの2つもわずかな毒性しか持っていなかったという。さらに、ハエ、ゴキブリ、シロアリ等の害虫を対象とする評価も行っている。環境試験や分解試験はこれから行われるが、残留時間が2-3週と短いものが理想だと氏はいう。
 氏は「耐性昆虫の出現や他の生物への影響を防ぐためには、1種類の昆虫にのみ有効で、効果が短期間で消える化合物を捜し出すことが重要だ」と述べた。
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by saru3toru | 2004-09-17 10:22 | 科学情報

好酸球がぜんそく治療のターゲット

 米Mayo Clinicの研究者を中心とした研究グループと米Harvard Medical Schoolの研究グループは、それぞれ好酸球を欠損させたマウスを用いた実験で、抗酸球がぜんそくで重要な役割を果たしていることを示した。
 好酸球がぜんそく患者の気道に多く存在することや、アレルゲンによる呼吸器炎症を引き起こす動物モデルで、好酸球が気道に誘導される実験などから、好酸球がぜんそくに関与していることは示唆されていたが、臨床試験結果やマウスのぜんそくモデルからは、好酸球のぜんそくにおける機能は明確にはされていなかった。今回示された動物実験の結果は、改めて、好酸球を標的にしたぜんそく薬の可能性を示したことになる。成果は、Science誌9月17日号に掲載された。

 Mayo Clinicの研究グループは、好酸球遺伝子をノックアウトしたマウスを作製、アレルゲンとしてオボアルブミンを投与した。 その結果、ノックアウト・マウスでは、気道に過敏症や粘液の過剰分泌といったぜんそくの症状が起こらず、これらの反応に抗酸球が不可欠であることが確認された。

 一方、Harvard Medical Schoolのグループは、Mayoとは別の系統のマウスで、好酸球の機能をなくしたマウスを利用し、同様にオボアルブミンを投与して、反応を調べた。GATA-1プロモーターのGATA領域に対する高い親和性をなくすことで、好酸球を欠除させたマウスを利用した。実験の結果、気道の過敏症、粘液の分泌は野生型と同様に起こったものの、気道のリモデリングは起こらなかった。つまり、好酸球は気道のリモデリングには関係するが、アレルゲンによる肺機能の低下には必須ではないことになる。
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by saru3toru | 2004-09-17 10:19 | 科学情報

恐竜が子育て中? 中国で親子密集化石

b0013356_947916.jpg 恐竜の成体1匹と子ども34匹が密集している化石が、中国・遼寧省西部で発見された。詳しく調べた米中などの研究チームは、親が巣で子育てをしていた現場の可能性が高いとみている。9日付の英科学誌ネイチャーに発表された。

 化石は白亜紀前期(1億3000万年前ごろ)の地層から03年に見つかった。小型草食恐竜プシッタコサウルスの仲間で、計35匹の化石が0.5平方メートルの範囲に集まっていた。子どもはいずれもほぼ同じ大きさで、腹ばいにうずくまって頭を少し上げる姿勢だったことなどから、研究チームは、別々に暮らしていた恐竜が死後に流されて1カ所に集まったのでなく、巣にいた親子がそのまま生き埋めになったと推測している。
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by saru3toru | 2004-09-09 09:47 | 科学情報

Smacと同じ働きをしてがん細胞を殺す低分子化合物

 University of TxasのHarranらは、がん細胞をより選択的に殺すことのできる低分子化合物を見出した。

 体内で細胞は必要に応じて自ら死ぬことを命じられる。しかし、細胞の細胞質にはInhibitor of apoptosis proteinという蛋白質があり、細胞がアポトーシスを起こしてむやみに死んでしまうのを防いでいる。アポトーシスが必要とされるときには外からのシグナルに応じてミトコンドリアからSmacと呼ばれる蛋白質が放出され、SmacはIAPと結合することによりIAPの機能を阻害し、アポトーシスが誘導される。

 HarranらはこのSmacと同じ機能を有する低分子化合物をスクリーニングにより見出し、それが実際にがん細胞のアポトーシスを引き起こすことを明らかにした。
 これはこれまでの抗がん剤にはないメカニズムであり、よりがん細胞に特異的に作用する可能性があり、副作用の少ない抗がん剤の発見に結びつく可能性がある。

 この結果は9月3日のサイエンスに報告された。
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by saru3toru | 2004-09-07 09:25 | 科学情報

皮膚に存在する幹細胞を使って毛髪再生

 ロックフェラー大学のFuchsらは、大人のマウスの皮膚から幹細胞を単離し、単一の幹細胞から多種類の上皮系細胞が分化することを見出した。また、幹細胞由来の細胞をヌードマウスの皮膚に移植することにより、通常のマウスと同様に毛の生えた皮膚を作り出すことに成功した。
 この結果は人間でも自分の皮膚から幹細胞を単離し、それを正常な皮膚になる細胞へと実験室で分化させることにより、ハゲの治療や火傷の治療などに応用できる可能性をを示すものである。
 さらに幹細胞を利用することにより他の組織の上皮系の細胞、たとえば目の角膜や歯のエナメルなどを再生させることも可能であるかもしれない。
 この結果は2004年、9月3日号のCellに報告された。
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by saru3toru | 2004-09-07 09:07 | 科学情報