米Mayo Clinicの研究者を中心とした研究グループと米Harvard Medical Schoolの研究グループは、それぞれ好酸球を欠損させたマウスを用いた実験で、抗酸球がぜんそくで重要な役割を果たしていることを示した。
好酸球がぜんそく患者の気道に多く存在することや、アレルゲンによる呼吸器炎症を引き起こす動物モデルで、好酸球が気道に誘導される実験などから、好酸球がぜんそくに関与していることは示唆されていたが、臨床試験結果やマウスのぜんそくモデルからは、好酸球のぜんそくにおける機能は明確にはされていなかった。今回示された動物実験の結果は、改めて、好酸球を標的にしたぜんそく薬の可能性を示したことになる。成果は、Science誌9月17日号に掲載された。 Mayo Clinicの研究グループは、好酸球遺伝子をノックアウトしたマウスを作製、アレルゲンとしてオボアルブミンを投与した。 その結果、ノックアウト・マウスでは、気道に過敏症や粘液の過剰分泌といったぜんそくの症状が起こらず、これらの反応に抗酸球が不可欠であることが確認された。 一方、Harvard Medical Schoolのグループは、Mayoとは別の系統のマウスで、好酸球の機能をなくしたマウスを利用し、同様にオボアルブミンを投与して、反応を調べた。GATA-1プロモーターのGATA領域に対する高い親和性をなくすことで、好酸球を欠除させたマウスを利用した。実験の結果、気道の過敏症、粘液の分泌は野生型と同様に起こったものの、気道のリモデリングは起こらなかった。つまり、好酸球は気道のリモデリングには関係するが、アレルゲンによる肺機能の低下には必須ではないことになる。
by saru3toru
| 2004-09-17 10:19
| 科学情報
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